お客様の声[特別編]

LVを運転できる利用者を職員に採用。車いすの乗降もラクに操作しています。障害福祉サービス事業所「あやめ」(千葉市稲毛区)セレナチェアキャブ リフタータイプ

「24時間テレビ」からの寄贈車、セレナチェアキャブ リフタータイプ。走るたびに障害福祉サービス事業所
「あやめ」と送迎サービスをアピールする効果を発揮。昼食前に利用者とスタッフでワンショット

18〜56歳の障害を持つさまざまな方が通所しているのが、「あやめ」。応募した「24時間テレビ」から寄贈されたLVを運転し、送迎サービスを行っているのは、利用者でもある方です。

「24時間テレビチャリティー」から寄贈を受ける

2011年2月17日、障害福祉サービス事業所「あやめ」の玄関前にセレナチェアキャブ リフタータイプが横付けされた。待ちに待った喜びの瞬間。ブリリアントホワイトパールのボディに「24時間テレビ」のロゴマークと「ハッピーバード」が踊っている。2010年の24時間テレビチャリティーに応募して、寄贈を受けたLVだ。

[顔写真]

園田道施設長

その経緯を、施設長の園田 道さんが話してくれた。

「後天的障害で右半身麻痺になったご利用者の二上賢司さん(42歳)が、就職を希望して合同面接会等に何十回行ってもなかなか決まらなかった。彼は運転ができて、ここへも自分のクルマで通所している。セレナチェアキャブ リフタータイプを買って改造したら、運転手としてうちで雇うことができる、という話をしていたところに、『24時間テレビのチャリティーで福祉車両の寄贈が受けられる』って職員が言い出して。それじゃ、応募してみようということになったわけです」

[運転席の二上さん]

後天的障害で右半身麻痺になった利用者の二上賢司さんは、セレナチェアキャブ リフタータイプの運転手として「あやめ」で働くことになった。車いすの乗降も一人で操作する

セレナチェアキャブ リフタータイプに行き着いたのは、若手職員がLVに関する情報を持ち寄り、あれこれと検討した結果だ。「あやめ」には、納品用の荷物室が広い日産バネットと標準車のワンボックスカーがすでにあった。できればもう1台8人乗りくらいのクルマがほしいところだが、車体の大きさを考えると二上さんに運転を頼むにはちょっと不安がある。そこで6人乗りのセレナチェアキャブ リフタータイプに落ち着いた。

「申請理由には、ご利用者を職員として就労させたいからということを前面に出したんです。それがヒットしたかな」と、園田さん。

寄贈が決まり、うれしさはひとしおだったが、二上さんは責任の重さから不安を抱えたようだ。そこで、二上さんが運転しやすいようにワンボックスカーにハンドルグリップを付け、ウィンカーを左に、足も左アクセルに改造して、教習が開始された。そしてセレナチェアキャブ リフタータイプが届き、それも同様に改造。スクーリングの教官から「まあ、いいでしょう」とのゴーサインが出て、今年度1年間、月水金は職員(7時間のパート)として研修、火木は利用者として通所するかたちになった。

送迎の必要な利用者は12〜13名、リフター使用は1名

今、「あやめ」が直面している問題は時代のうねり。国からの送迎費用の助成が3月で終わりそうなのだ。次年度からは障害福祉サービス報酬の中で対応することとなり、「1回の送迎につき平均10人以上が利用し、かつ、週3回以上の送迎を実施している場合」に算定される。

「送迎の必要な方は12〜13人ですけど、平均すると10人に達しない。きびしいです」

[改造された運転装置]

運転手の二上さんが運転できるように、ハンドルグリップを付け、ウィンカーやアクセルも左仕様に改造した

あちこちで予算が削られる中にあっても、職員の増員など問題は後を絶たない。 問題山積とはいえ、うれしい兆候も出現している。

「今まではワンボックスカーだったので、車いすの人も移乗してもらうしかなかったが、車いすのまま乗せられるセレナチェアキャブ リフタータイプがあることで送迎の幅が広がり、送迎を利用したいという方が増えてきているような感じです。車体に書かれた名前を見てくださった方が『送迎車があるんだ』『こういう施設があるんだ』と知ってくださる。毎月お知らせを回覧はしているのですが、知名度はまだまだ。ご近所の方でも知らない方がいますから。うれしい反響です」

「あやめ」の建物はごく普通の2階建て家屋で住宅地の一角に溶け込んでいる。それゆえ道路幅が狭く、一巡で回りきれない地理的事情から、小回りが効くセレナチェアキャブ リフタータイプはありがたい。

今では二上さんも送迎ローテーションの重要スタッフ。リフターはボタン1つで操作できるので力はいらない。二上さん1人でも車いす利用者を乗せることができるし、車いすの固定もできる。園田さんが都合悪いときは1人で行くこともたまにあるという。

[作業場]

割り箸の袋入れやビーズ手芸など、利用者の力に応じた作業を協力し合ってやり遂げる。「あやめ」の送迎サービスを利用する人、家族が送迎する人、自分で歩いて来る人とさまざまだが、「ここでの時間を楽しみにやって来る」という点は、全員同じだ

「リフターが上がるまでちょっとイライラすることがあります。冬は早く入らないと寒いでしょ。でも、速く動いたら怖いし、ご利用者にとっては安心なスピードでベストだとは思っているので、スピードを早くしてとは絶対言えませんね。動作音も静かですよね」と、セレナチェアキャブ リフタータイプを“愛する”園田さんが抱いているささやかな希望。それは、「車いすの人にとっては広さは十分だと思います。車いすを使わないときは、セカンドシートがもうちょっと後ろに下げられれば助かります。ご利用者2人にセカンドシートに最初に乗ってもらい、そのあとから真ん中に私が乗り込む。それが一番動きやすいのですが、『ごめんね』と言いながらまたいで入らなければならないのです。それとセカンドシートがフラットだったらいいかなと思う。お尻を包み込む形になっている脇の出っ張り部分が足の出し入れを邪魔してしまう」

さらにもう1つ。ドアを開けると自動で出てくるオートステップが小さいというご指摘。乗るときは楽でも、降りるときは動きづらい。右か左か、片方の足が乗る幅しかないので、次の足をどこへ置いたらいいのか戸惑うというのだ。

なにはともあれ、セレナチェアキャブ リフタータイプへの期待が大きい証左だろう。映画会に出かけたり、近くにある体育施設・千葉県障害者スポーツレクリエーションセンターへ軽い運動に出かけたり、送迎だけでなくいろいろな活用法を実践中。利用者にとっては安心で快適な空間を、送迎者にとってはラクに操作しやすい機能を、セレナチェアキャブ リフタータイプがもたらしている。

(取材:2012年3月)
※記事の内容は取材日現在のものです。現在販売している車種と一部仕様などが異なる場合がございます。
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リモコン操作でリフターを出し、車いすをプラットホームへ乗せ、ブレーキをかけたら固定装置で固定。一連の動作はスムーズ。この日は園田さんが担当した

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中村順子さんは介護タクシーを利用していた。「車いすを降りて移乗するのが大変でした。今は車いすのまま乗れて、ラクだし、安心です」と、すいすい軽快にセレナチェアキャブ リフタータイプに乗り込んだ